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さすらい猫 ノアの伝説 / 重松清 


さすらい猫 ノアの伝説さすらい猫 ノアの伝説
(2010/08/04)
重松 清、杉田 比呂美 他

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感想を求めて母に渡された。軽めの児童文学なのでサラっと読める。

粗筋。「元気ハツラツ、勇気リンリン、根気コツコツ」が合言葉の5年1組。担任の先生が入院という非常事態に、頼りない臨時新人先生が着任する。小学生にとってはこれだけで充分に刺激的な非日常だが、更に謎の黒猫がクラスにやってきて、その首には謎のメッセージが。曰く「おめでとうございます!あなたのクラスはノアに選ばれました。ノアはきっと、あなたたちのクラスが忘れてしまった大切なことを思い出させてくれるでしょう」。ノアに導かれて奔走する、健太たちの一騒動のお話。

大人が子供向けの絵本や児童文学を評価するのは、なかなか難しい。今の自分にとっての娯楽作品としての評価と、子供が読んで面白いと思うという評価は、当然一致しない。

というわけでこの本について言えば、良き児童文学であったと思う。重松作品は、10年以上前に読んだ『エイジ』と最近読んだ『十字架』以来の3冊目だったが、こういう分野も書いてる(初なのか?)とは知らなかった。

ちょっとした非日常にワクワクする感覚、クラスの女子が急に大人びてきて自分が子供であることを見せつけられる焦り、学校空間にも「社会」が形成されてきて思うようにいかないことに直面するもどかしさ。そんな、小学生(特に男子?)ならではの感覚を、丁寧に描いている。この辺は子供に渡したときにも共感を以て迎えられるのではないだろうか。現に、昔『エイジ』を読んだときも、大人が書いた小説なのによく子供の目線が解っていると感心した憶えがある。

健太は、忘れてしまった「大切なこと」とは何なのかと考えながらノアを追い掛け続ける。序盤ではその「大切なこと」というのが説教臭い教訓に落ち着くのではないかという懸念があって、道徳の教科書のような気配を感じ取ってしまった。しかしそこは重松清、実際には「なりたい自分に向かって一歩を踏み出す勇気」こそが、ノアが思い出させてくれた大切なことだというオチだった。拒絶感を覚えずに済む程良さだったので良かった。


細かいツッコミが2点。

1)5頁11行目。「つまらなさそうに」という言い回しが出てくる。不用意な「さ」入れ言葉を使うような人だったのか、はたまた意図的に子供に馴染みやすい表現を使ったのか。

2)22頁~25頁。ノアが携えていた手紙の「ノアはきっと、あなたたちのクラスが忘れてしまった大切なことを思い出させてくれるでしょう」というメッセージを読んだのに、直後の健太のモノローグでは「そんなオレたちが、いったいなにを忘れちゃうんだ─?」とある。なぜ微妙に日本語を読み間違えているのかよく解らない。章が変わって25頁のリリーは正しくメッセージを汲み取っているのに。
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